「みんなでトクする日常の移動を考えるプロジェクトの取組みvol3」でお伝えしたとおり、今年(平成27年)の5月に名古屋市立大学の講義に参加させていただきましたので、vol3の続きについてご報告したいと思います。
2コマ目の5月25日(月)は、1コマ目の大学生のみなさんの反応をもとに、まず公共交通をめぐる諸議論について教員の方から補足していただいた後、「赤字路線に共通する特徴があるか」等の議題について、グループに分かれて、名古屋の地域性や、高齢化社会を迎えていることを踏まえて公共交通について議論をしてもらいました。その際には、名古屋市バス・地下鉄の路線図、赤字路線等さまざまなデータを見ながら議論してもらいました。
議論に参加 専門課程を学ぶ大学生の皆さんであったため、2コマの講義で公共交通を様々な側面から深く議論していただくことができました。
今後も、みなさんに公共交通のことについてもっと知ってもらい、「かしこい移動手段」を選択していただけるよう様々な取組みをつづけていきたいと思います。
今回は、名古屋市立大学においてリーフレット配布のほかに実施したもうひとつの取組みについて紹介したいと思います。
名古屋市立大学の専門教育科目のひとつに、社会の実践的課題を専門的かつ多角的に学ぶため、さまざまな分野の方(自治体職員、コミュニティ団体など)を講師に招くといったものがあります。今回は、この講義に参加させていただき、2コマ180分間で大学生のみなさんに社会的インフラである交通について、様々な社会的側面から考えてもらいました。
大学の授業として意義のあるものとするため、授業メニューを担当教員の方と調整しました。内容としては、1コマ目に名古屋市が推進している「交通まちづくり」について説明を聞き、2コマ目は1コマ目で大学生のみなさんから出た意見等をもとに設定された議題でグループディスカッションを行うというものです。
1コマ目の5月18日(月)では、交通政策基本法の制定から連なる「公共交通をめぐる国の動き」、名古屋市における人口減少、高齢化社会また環境問題といった社会問題のほか公共交通基盤や道路交通基盤の整備状況といった「名古屋市の交通の現状」、こういった時代における諸問題に対処し名古屋市の活力を維持向上していくため、将来に向けた交通施策を推進する指針である「なごや新交通戦略推進プラン」やその実行計画である「交通まちづくりプラン」について説明を聞いてもらいました。
講義を受講した大学生のみなさんからは、「車の利便性が高いので、公共交通促進自体に抵抗を感じる」といったご意見もあったほか、「ハード施策よりもソフト施策が重要」「交通事故削減の観点から、公共交通促進ができるのではないか」など鋭いご意見もありました。
(つづく)