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竹内伝史氏
岐阜大学名誉教授 1969年運輸省入省の後、名古屋大学工学部助手(1970年)、中部工業大学講師、中部大学工学部教授を経て1997年より岐阜大学地域科学部教授、2009年定年退職後、同大学名誉教授。
名古屋市交通問題調査会会長、岐阜県・名古屋市・春日井市各都市計画審議会会長、財団法人中部空港調査会副専門委員長などを歴任。現在、名古屋市交通まちづくり推進協議会会長、あおなみ線活性化協議会委員、岐阜県リニア中央新幹線活用戦略研究会委員、(公財)中部圏社会経済研究所「中部圏航空・空港政策の戦略調査研究会」座長など。
交通まちづくりトップ > 交通まちづくりコラム > 【第1回】まちづくりと交流
竹内氏 これからの社会では、福祉・文化・産業がキーワードになるのですが、これら全てに大事なものはなにかというと、それは「交流」なのです。福祉とは、ともに助け合うというマンツーマンの付き合いがないとだめですし、文化は作品などの形で自己表現をし、人々に見てもらうことで、「ここはこうした方がいい」「いや、そこはああした方がいい」と評価、批評してもらうことで文化の花が咲きます。さらに、新しい産業の種は物をつくるだけでなく、サービスの提供、つまり地域内や外の地域との交流によって生まれてくるものだと思います。最近よく言われている「価値観の多様化」にもつながる話ですが、福祉・文化・産業を通して地域の個性、よさをつくっていくために、人々の交流について考えていくことが何よりも大切なのです。
竹内氏 そうですね。私はこれまで、歩行者空間計画や都市の公共交通計画、路面公共交通などをテーマに研究をしてきました。交通計画といえば、自動車交通の渋滞対策のために交通需要を推計するといったことが中心でしたが、私は「何か違うなあ」と思ってきました。よく考えてみると、私が取り組んできたことは結局、市民の交流を促進するための装置づくりや空間づくり、サービスの形態づくりであると気付いたのです。
竹内氏 名古屋のシンボルと言えば、やはり人々の交流の拠点である「栄」だと思います。地域のよさを活かした、名古屋らしいまちづくりを進めるためには、名古屋駅で降りた人が迅速かつ快適に栄地区(必ずしも今の範囲にこだわらない、拡張された「栄」)に行くことができる様に、こういったことが勝負になると考えています。また、近世都市名古屋が江戸や京・大坂に対してもっていた、文化的経済的なステータスを再現したい。尾張徳川の伝統も活かしながら、東京や大阪とは違った、名古屋にしかない大都市圏を創りだしていくことが大切ですね。
〜趣味は鉄道旅行と列車紀行の執筆〜
子供の頃から時刻表を読んだり、実際に様々な鉄道に乗車してきました。シベリア鉄道に乗車し、10日間かけてロシア東部のウラジオストクから首都モスクワ、その後北西部のサンクトペテルブルクまでロシアを横断する旅をしたことが一番の自慢です。(この時の紀行文を含む列車紀行「異国(とつくに)阿房列車」(風媒社)を刊行)
最近では、オーストラリアの北の端のダーウィンから、南の端のアデレードまでを2泊3日で走破する大陸縦断鉄道の「ザ・ガン」という列車に乗ってきました。
今後は、世界で一番豪華な列車と言われている南アフリカの「ブルートレイン」に、いつかは乗車してみたいですね。